助産師の仕事|【ナースのお仕事navi】

助産師について

助産師とは、妊娠した女性の出産および出産後の総合的なケアをする職業です。昔の日本を舞台にしたドラマや映画に、「産婆」と呼ばれる、お産を手伝ってくれる女性が登場しているのを見たことはありませんか? 助産師は古くは「取り上げ婆」や「産婆」と呼ばれ、戦後は「助産婦」という名前で知られていました。平成16年末時点で、助産師の総数は25,257人。ここ10年で助産師は増加傾向にあります。なお、助産師は約7割が病院へ就業、2割弱が診療所、その他助産所や養成・研究機関が1割強となっています。

助産師の主な仕事内容

助産師の仕事は、妊娠から出産、育児にいたるまで、幅広く母親をケアし、保健指導を行うことです。具体的には…

  • 妊娠中の母胎の医学的観察
  • お産の立ち会い(へその緒の切断・傷口の処置など)
  • 妊産婦のメンタルケア
  • 妊娠・出産・育児を迎えることで起こる肉体的・社会的な変化・問題に対する介助

など。

法律では、『正常な分娩での助産および新生児のケア』と定められています。
産婦人科で働く看護師と助産師の決定的な違いは、赤ちゃんを取り上げたり、へその緒の切断をできるかどうかです。また、助産師は医師と同様に開業する権利を持っていることも、看護師との大きな違いです。医師が産婦人科を開業するように、助産院を開く、というキャリアの描き方もできるのです。

助産院とは?

助産院とは、妊産婦の保健指導や分娩を行う施設のこと。施設管理者は医師ではなく助産師で、9床以下の施設とされています。そのため、開業する助産師の多くは、自宅を助産院としているようです。
産婦人科が医師主導の出産になるのに対し、助産院は、自宅出産を選択できたり、さらに細かく言えば、アクティブバースや座位出産、水中出産…といった、妊婦の希望に沿うお産を実現しています。
なお、助産院では、産婦人科医が居ないため、全てのお産を取り扱えるわけではありません。助産師の業務が、『正常な分娩での助産および新生児のケア』とされているように、助産院で扱える分娩も、正常な妊娠、分娩、産褥のみとされています。例えば、母親が帝王切開経験のある方や、5回以上お産の経験がある場合、赤ちゃんが逆子の可能性がある場合、双子の場合などは、助産院での処置は難しくなります。

助産師になるためには

助産師は原則、女性しかなることができません。
助産師になるためには、国家試験(毎年2月に実施)に受かる必要があります。
なお、国家試験を受けるには、受験料として5,400円がかかります。

参考までに、平成24年の試験詳細を記載します。

試験期日

平成24年2月16日(木)

試験開催地

北海道、青森県、宮城県、東京都、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県及び沖縄県

試験科目

基礎助産学、助産診断・技術学、地域母子保健および助産管理

受験資格

  • 看護師国家試験に合格した者
  • 保健師助産師看護師法第21条各号のいずれかに該当する者
  • 又は同法第53条第1項に規定する者であって、かつ、次のいずれかに該当するもの

    (1))文部科学大臣の指定した学校で1年以上助産に関する学科を修めた者
    (この春に修業見込みの者も含む)

    (2)厚生労働大臣の指定した助産師養成所を卒業した者(同上)

    (3)外国の助産師学校を卒業し、又は外国において助産師免許を得た者で、厚生労働大臣が(1)又は(2)に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認めた者

    (4)改正(平成22年4月1日)前の保健師助産師看護師法、第20条第1号に該当する者

    (5)改正(平成22年4月1日)前に旧法第20条第1号に規定する学校に在学し、施行日以後に同号に規定する要件に該当することとなった者(施行日以後に同号に規定する学校に入学し、当該学校において6月以上助産に関する学科を修めた者を除く)